目先の株価にバタつくな!バフェットの神髄は「機が満ちるまで待て」

「成長の臨界点」を見極めよ
大原 浩 プロフィール

「臨界点」と「機が満ちる」は同じこと

二宮金次郎やバフェットの「機が満ちる」という言葉は、自然科学で言えば「臨界点に達する」ということである。

バタフライ効果の話は既にしたが、蝶の羽ばたきが増大して台風になるところが「臨界点」といえる。しかし、この臨界点をはっきりと定義することは難しい。

 

自然界には「臨界点」をもっと簡単に理解できる現象がある。例えば、0度以下に冷やされた冷蔵庫の冷凍室には個体の氷がある。これを真夏の日に外に出せば、あっという間に溶け始める。氷が水になる温度=臨界点は0度であることは誰でも知っている。

そして溶けた氷水をやかんで沸騰させる。この水が蒸気となるのが100度であることは言うまでもないであろう。

マイナス10度で水蒸気を発生させたり、逆に摂氏150度で氷をつくることなど無理な話である。だから「機が満ちた」=「臨界点」を超えたことを確認する作業は必要不可欠だ。

水が氷になるのにはある程度の時間がかかる。池の水が端の方から凍り始めることを考えればわかりやすい。だから、バフェットは企業が「成長の臨界点」に達したことを、池の水が一部氷結したのを察知するように、他人よりも早く知ることができるのだ。

ある池の水が氷るかどうかというのは漠然とした話だが、池の端が氷結を始めればその可能性は一気に高まる。

ただし、池の水が氷結したかどうかは、誰が見てもわかるが、企業の成長の「臨界点」は目に見えない。だからこそ、バフェットは1日の大半を決算書の熟読と読書に費やし「見えない臨界点」を見つけ出す努力をしているというわけである。