目先の株価にバタつくな!バフェットの神髄は「機が満ちるまで待て」

「成長の臨界点」を見極めよ
大原 浩 プロフィール

「機が満ちる」まで投資をしてはいけない

現在、日産、東芝、パナソニックなど多くの企業の再生が問題になっている。この件については下記記事を参照いただきたい。

〈5月15日の記事「国策自動車会社であるルノーも日産も、結局、生き残れはしないだろう」、8月6日の記事「従業員の不信を引きずったパナソニックに復活はあるのか?」、12月15日の記事「“サザエさんを失った”東芝はどこまで大迷走するのか」〉

例えばカルロス・ゴーンのような人物が乗り込んで来て、リストラで収益を回復させても、全社的に「自分たちの企業を再生しよう」という機運が盛り上がらなければ、最終的には成功しない。

 

バフェットは、再生企業への投資は「再生の道筋が見えてから行う」と述べているが、金次郎の「機が熟するまで待つ」というのと同じことである。

ちなみに、バフェットはベンチャー企業への投資は行わず、(あまりにも持ち込まれる案件が多いため)「ベンチャー企業には投資をしません」というメッセージをHPで公開したほどだ。

ベンチャー企業の場合は「機が満ちたかどうか判断するのが(バフェットにとって)難しい」からである。

大事なのは、成功するかもしれないことは世の中にたくさんあるが、「成功を確信できる」ことは少ないということだ。

「複雑系」という言葉はむずかしそうだが、「バタフライ効果」という言葉は読者にもなじみがあるかもしれない。

例えば、「赤道上でのある1匹の蝶の羽ばたきが、回り回って台風になる」という話である。もちろん、そのようなことは起こり得るのだが、だからと言って、気象予報官が赤道まで行って蝶の羽ばたきを観察することなどあり得ない。蝶の羽ばたきは、毎分どころか、毎秒膨大な数が行われており、どの羽ばたきが台風につながるのか特定するのは不可能だからである。

したがって、気象予報官は、色々な要素が積み重ねって台風となる前の「直前の兆候」を見つけることに全力投球するのだ。

バフェットが成功したのは「かもしれない」という無数の蝶の羽ばたきを無視して、「成功の兆候がはっきりと見えたとき」だけに集中投資したからだ。もちろん、「兆候」が「現実」の成功になって誰もが知るようになったときには、投資を行わず「投資の果実が熟するのを待つだけ」である。