新型肺炎ショック、これから日本経済と世界経済に何が起きるのか…?

2019年と同じ光景はあり得る
唐鎌 大輔 プロフィール

インバウンドショックと円相場

言うまでもなくインバウンド需要に依存してきた各種産業(特に小売業や宿泊・飲食サービス業)への影響が思い浮かぶところだが、金融市場(とりわけ為替市場)への影響も気にすべき論点がある。

近年、本邦の対外経済部門はインバウンド要因で大きく変化している。

 

現在、国際収支統計におけるサービス収支は概ね均衡状態にある。

しかし、2000年代前半には▲4兆円程度の赤字が常態化していた。以下の図に示す通り、輸送収支やその他サービス収支の状況が変わったわけではなく、ひとえに旅行収支が黒字に転化したことが大きい。

要するに、来日して日本に外貨を落としてくれる訪日外客数が増えた(2003年の521.1万人から2019年は3188.2万人へ6倍以上に増えた)のであり、これは観光産業が日本経済にとって重要な輸出品目になったという解釈もできる。

〔photo〕gettyimages

仮に、現在のサービス収支が2003年当時同様の▲4兆円程度の赤字だった場合、断続的に黒字と赤字を行き来している本邦の貿易収支(例.2019年は▲1.6兆円、2018年は▲1.2兆円、2017年は+2.9兆円)ではカバーできず、貿易サービス収支で見れば赤字が常態化することになる。

円相場の需給環境ひいては円相場の見通しを作る上で小さくない話と言える。

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