中国が「軍民融合」で進めるAI軍事革命…このまま独走するのか

倫理と実用の相反に悩むアメリカ
野口 悠紀雄 プロフィール

「軍民融合体制」でAIによる軍事革命

習近平主席は、「軍民融合」(CMI: Civil-Military Integration)によって民間のAI技術を軍事利用し、「AIによる軍事革命」を実現しようとしている。

これは、民間技術を軍事に適用したり、軍事技術を民間が活用したりすることによって、軍と民の融合を図ることだ。

「軍民融合」はAIの軍事利用に有利に働いているとの見方は多い。

 

一方、アメリカでは、グーグルで、国防総省と結んだ軍事用無人飛行機(ドローン)向けのAI(人工知能)開発契約(プロジェクト・メイブン)に対する反対運動が起きた。

「グーグルは戦争ビジネスにかかわるべきではない」「この計画はグーグルのブランドや採用競争力に対し、取り返しが付かないほどのダメージを与える」などと主張する書簡に4000人を超える社員が署名し、一部の社員が辞職するなどの事態に発展した。

その結果、 グーグルは2018年6月に、「プロジェクト・メイブンを19年3月いっぱいで打ち切るとの方針を明らかにした。

さらに、無人兵器の製造、および人間に危害を及ぼす恐れのある分野への AI 利用を禁止する方針を示すガイドラインを公表した。

Googleのこうした決定は正しいと思う。

しかし、同時に、それがアメリカの中国への軍事的優位に対する障害になることも認めざるをえない。

この矛盾をどう考えたらよいのだろうか?