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天皇か上皇か「天皇家の当主」が誰なのかわからない…皇室記者の危惧

これでは「二重権威」ではないか

「主人不在」の皇居

「皇居」とは、その名の通り「天皇の居る場所」です。その皇居に今、「主人」であるはずの天皇陛下は住まわれていません。

皇居にいるのは引退したはずの上皇ご夫妻のまま。陛下は赤坂御所から「通勤」する日々で、上皇ご夫妻はこの春に東京都港区の高輪皇族邸に転居する予定ですが、天皇、皇后両陛下が住まいを移し、皇居が「真の皇居」になるのは、さらに後になる見込みです。

宮内庁の説明によると、上皇ご夫妻の現在の住まいである吹上仙洞御所には、各国要人らからの大事な頂き物なども多く、新居にどれを運ぶのか、整理と分別に予想以上の時間がかかっているようです。

天皇陛下は皇居に「通勤」している〔PHOTO〕Gettyimages
 

先に断っておきますが、私がこの「現代ビジネス」で記事を書くのは3回目です。前2回(1回目2回目)では、天皇や皇族の方々に対する敬称や敬語を一切使いませんでした。

相手が皇室であろうが何であろうが、批判的言説は批判としてはっきりとらえてほしいがための方策でした。ところが、この「表記」に対する反発がことのほか強く、「不敬な文章で不愉快だから読みたくもない」という声も多く寄せられました。

私は現代の日本人が皇室に抱いている感情の実態を改めて知らされた思いがし、あまりいい気分はしませんでしたが、同時に、「読んでもらえないなら書く意味がない」と考えるに至りました。

という訳で、今回からは、共同通信の記者として普段使っている通りの基準で書くことにしました。しつこいようですが、「不敬だから」やめるのではありません。「読んでもらうために」こうしたのです。皇室批判と敬語との関係について、私の考えと経験に興味のある方は、前2回をお読みください。