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# 裁判官

裁判官が「刑事より民事のほうがダントツに面白い」と断言する理由

じつは玄人好みの「面白さ」がある
一般の人がニュースやドラマなどで見かける裁判は多くの場合、犯人だと疑われている人の有罪無罪や刑罰を決める「刑事」裁判だろう。一方、個人間や家族間のトラブルについて判断する「民事」裁判は、スケールが小さく地味な印象が……。
では現場で緻密な判断を求められる裁判官自身は、「刑事」と「民事」、はたしてどちらの事件にやりがいを感じているのか?
元裁判官が、知られざるその本音を明かしたとして話題になっている一冊、『裁判官失格』の著者、高橋隆一氏が解説する。

傍聴する人にとっては、民事裁判は少しも面白くないものでしょう。

先日、一般の人の傍聴体験に同行する機会がありましたが、「裁判があんなに淡々と行われているとは思いませんでした」と驚いていました。

 

おそらく裁判所に行き、裁判スケジュールを見たときに面食らうと思います。

例えば東京地方裁判所本庁には多くの法廷があるのですが一つの法廷10 時から始まる裁判が複数、10時半から始まる裁判、13時から始まる裁判のそれぞれに、同時刻で裁判の予定がたくさん入っているのです。

しかし実際に法廷に入って裁判の様子を見ると、一発で理由が分かるでしょう。

裁判官と書記官が現れますが、原告や被告らしい人の姿が見当たらないことがほとんどです。傍聴人は自分だけということもあり得ます。

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書記官が事件の番号を読み上げた後、裁判官が訴状陳述、答弁陳述などを行い、「次回は●月●日」と次回の裁判期日を告げておしまいになり、書記官が次の事件の番号を読み上げ......という具合にどんどん進んでいきます。

1件当たりの裁判にかかる時間がごくわずかで、15分間に5件くらいの裁判が終わったりするので、細かくタイムスケジュール表に記入する意味がないのです。

そんなふうなので、民事裁判は全く面白くも何ともありません。