ゴーン氏を逃がしたのは誰か?「チーム・ゴーン」驚きの正体と実力

佐藤優が事件を徹底分析する
佐藤 優 プロフィール

弘中弁護士も「パーツ」

佐藤:そうです。これを「クオーター化」というんです、業界用語で。区分に分けるという意味です。

そういう組み立てだから、「おい、ブツの運びがある。いい金になるぞ」「ヤバいものじゃないですよね?」「麻薬や兵器ではない。中身は知らなくていい」「わかりました」──こういう世界ですよ。

邦丸:なるほど。

 

佐藤:それで、尾行されていることを知っていて、「こんな尾行は人権侵害だから解除してくれ」とゴーンさんが弘中弁護士たちに頼むわけでしょ。そういう意味では、弘中さんたちも知らず知らず、パーツとして利用されているわけですよ。

それで解除を要求したら、その日に脱出した。すでに救出のネットワークはでき上がっていて、関空に穴が開いているといったことも調べあげて、車も飛行機も全部手配してと、こういうやり方ですよ。

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しかもゴーンさんは、逃亡時の経緯については、ウォール・ストリート・ジャーナルに独占的に流すということに決めていますね。今回、報道ではここが全部早いですから。

邦丸:早かったですよね。

佐藤:なんでだと思います? 私は、ゴーンさんはウォール・ストリート・ジャーナルをあえて選んでいるんだと思う。なぜかというと、日本語版があるから。

ちなみに、毎日新聞の電子版とか琉球新報などの毎日系の新聞をとっていると、ウォール・ストリート・ジャーナルが無料で読めるんですけど、日本語版があるから、日本の検察とかマスメディアにメッセージをすぐに出せるでしょ。実際、ゴーンさん関連の日本の報道は、よく見るとすべてウォール・ストリート・ジャーナルの後追いになっているんですよ。

邦丸:そうですね。

佐藤:こういうつくりにすることも全部、このチームは計算していますね。