ゴーンvs.警視庁捜査一課、正月返上「決死の攻防」のすべて

知られざる大捜査の内幕を明かす
週刊現代 プロフィール

さらにホテルに宿泊者名簿の閲覧請求をかけ、部屋を予約したのが米国籍の20代の男性であることがわかった。この男は後に、中国に出国したことが判明している。

部屋から出て来たゴーン氏はジーンズ、スニーカー姿に着替えていた。

部屋を予約した男を残し、ゴーン氏ら3名は、タクシーでホテルから5km離れた品川駅へ移動。午後4時半ごろ、東海道新幹線に乗車した。

「JR東海によると、12月29日午後の新幹線は帰省ラッシュでほぼ満席だった。車で移動すれば、尾行されたり、渋滞で時間がかかったりしてしまう可能性がある。あえて混雑している新幹線で移動することで監視の目を振り払おうとしたのでしょう」(前出・捜査関係者)

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それでも、人混みのなかを移動する3人組の姿を防犯カメラははっきり捉えていた。3人は新大阪駅で降車。警視庁の捜査員も大阪まで出張し、防犯カメラの映像で、午後7時半ごろタクシーで関西国際空港近くのスターゲイトホテルへ向かう3人の様子を確認した。

 

捜査員は、犯行前の足取りである「前足」も丹念に調べた。実は29日の朝10時頃、このスターゲイトホテルにテイラー氏とザイエク氏が、音響機器運搬用の大きな箱2つを搬入する姿が、防犯カメラに映っていたのだ。2人はそれからゴーン氏との待ち合わせ先であるグランドハイアット東京へ向かったことになる。

午後10時ごろ、テイラー氏とザイエク氏は、事前に搬入していたこの箱をホテルから運び出して関西空港へ向かった。だが、防犯カメラでゴーン氏の姿を確認することはできなかった。焦る捜査員。別々に行動し始めたのだろうか。ゴーン氏の姿を見逃すまいと食い入るように画面を見つめる。