ゴーンvs.警視庁捜査一課、正月返上「決死の攻防」のすべて

知られざる大捜査の内幕を明かす
週刊現代 プロフィール

年末年始という壁

外見が特定できれば、あとは、移動方向にあるカメラの映像を次々とたどっていく「リレー方式」捜査で、ゴーン氏の足取りを追う。捜査員らは2人一組による人海戦術で周辺の防犯カメラの映像を回収していった。

しかし、ここで思わぬ壁が立ちはだかる。冒頭の大木さんが語る。

「1月3日に警察の方がやってきた。うちのマンションでは、防犯カメラの映像はマンション組合の承認を得てから渡すことになっています。組合の始業は1月6日から。そのためすぐには渡せないとお伝えしました」

 

他にも正月休みのために、防犯カメラを見つけても、管理者と連絡が取れないという事態が頻発したのだ。

防犯カメラによっては3日でデータが消えてしまうものもある。回収作業は時間との戦いだ。

大木さんが続ける。

「翌日、警視庁本部の捜査員が来て、『緊急事態なので早く貰えないか』と急かしてきたんです。仕方がないので、マンション管理組合の理事長に事情を説明して了承を得ました。

1月5日に捜査員がパソコンと機械を持ってきて、映像のデータをコピーしていきました。容量が大きいため、朝、ダウンロード機器と防犯カメラデータの入った機械を繋げておいて、夕方に引き取りに来るという流れでした」