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ゴーンvs.警視庁捜査一課、正月返上「決死の攻防」のすべて

知られざる大捜査の内幕を明かす

世間の気が緩んでいる年末を狙って、まんまと日本から脱出したカルロス・ゴーン被告。なぜそんなことが可能だったのか。警視庁の全力を挙げた捜査で、巧妙な逃亡劇の全容が明らかになった。

突然の招集命令

東京・麻布のヴィンテージマンションの管理人、大木武さん(仮名)のところに大柄な2人の男が訪ねてきたのは1月3日のことだった。

「2人は、すぐ近くにある麻布警察署の署員だと名乗り、防犯カメラのデータの提供を依頼してきました。このマンションの前の通りが、カルロス・ゴーンさんの逃亡経路になっていたというのです」(大木さん)

昨年の大みそか、日本にいたはずのゴーン氏がレバノンへと逃亡したというニュースは瞬く間に世界を駆け巡った。

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大混乱に陥ったのはゴーン氏を起訴した東京地検特捜部だ。

「報道以上の内容は把握していない」

メディアからの質問に検察幹部らはこう口をそろえ、驚きの表情を隠さなかった。

 

通常、保釈中の被告が保釈条件に違反したり逃亡したりした場合、裁判所は職権で保釈を取り消し、検察庁が身柄を確保することになる。しかし、ゴーン氏が高飛びしてしまった今、身柄を確保することはもはや絶望的となった。

日本とレバノンは犯罪人引き渡し条約を結んでおらず、彼の身柄が日本に引き渡される可能性は極めて低いからだ。