中学受験に大切なのは「学校の選び方」

したがって、「学校の選び方」は、とても重要だと思います。
やりたい部活動を考えて決める受験は多かったです。もうひとつは、学校の特色をみて、公立中学にないカリキュラムに惹かれての受験。このような確固たる目的を持ったほうがいい。あそこの中学に行きたい、となったとき、それはなぜ? と聞かれて自分で説明できるのがベストでしょう。

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ただし、この「目的」が難しいのです。10歳前後で選択させてOKな子は良いのですが、それが向かない子もいるわけです。自分自身が行きたい大学や、やってみたいことは、年齢が上がると明確になるものです。それなのに「安心だから」という理由で中高大の一貫校を選んでしまうと、視点が広がらない恐れも出てきます

ここで、中学受験が上手くいく子どもの親御さんと、そうでない場合をお伝えしておきましょう。

うまくいく方は、僕ら教師がお会いしていて安心する親御さんです。子どものことをよく知っています。強く否定することがありません。わが子が失敗してもニコニコしていられる。いい意味で放任しています。

よって、余計な口出しをしない。受験のことは塾の先生がよく知っているからそこを信じよう。そんなふうに考え、自分のなかの常識を押し付けません。とにかく、どっしりと構えているので、子供にとっても圧倒的な安心感があります

反対に苦労してしまう親御さんは、常に焦っています。4・5年生の時期から合格判定模試の結果をとても気にしています。早く結果を出して欲しいので、テストの結果に意識が集中し、子どもを厳しくつついてしまう傾向があります。

成績が上昇する曲線は子どもによって違います。右肩上がりでどんどん伸びていく子もいれば、最初は低空飛行でも最後に体力、知力がついてドンと上がる子もいます。最後の最後に学びの旬を迎えるタイプです。

受験シーズンも大詰めを迎えました。親御さんはぜひ腹を据え、どんと構えてください。そして、ひとつだけお願いがあります。

もし、希望が叶わなかったとしても、お子さんの前で泣くのだけはやめてください。親が泣いてしまうと、子どもには救いがありません。
内心ショックを受けたとしても、けろっとして「頑張ったじゃん!」とプロセスを褒めてほしい。

中学受験で結果は出なくとも、日々努力したことが子どもの後の人生にとって大きな糧になることがあります。

最後まで寄り添い、信じる、そんな親御さんであってほしいと思います。

まずは努力をしているお子さんたちが健やかに実力を発揮できることを心から祈りたい。合否に関わらず、「子どもが努力したいと思って挑んだ受験」であれば、必ず人生の糧になる。子どもの挑戦を温かく見守ることが、一番の支えになり、受験の後にも前に進むための原動力になるはずだ Photo by iStock