数字だけが判断基準になってしまうと

例えば、算数の習熟度別クラス。
自分でも気づかないうちに偏差値が気になっている子どもは、一番上のクラスでないと不満です。ゆっくり取り組むクラスになると「なんでぼくが?」と訴えてきます。「成績順で分けていないよ」と説明しても、自分の偏差値が低く見られたととらえてしまいます。

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実際に、習熟度クラスは成績の上位、下位だけで分けていません。「特性」も含めて分けます。子どものニーズに合わせるものでもあります。ひとつの問題をじっくりやりたい子、ゆっくりやりたい子、たくさん問題をやりたい子、もしくは、そうしたほうがベターだと教員が判断して分けます。そして、その特性に合った授業内容、進め方にするのです。

塾に通っている子どもたちは問題の数をこなすほうが得意な場合が多いです。ただし、それぞれ合う、合わないがあります。スキルは身に付けているけれど、基礎的なことが浸透していないこともあります。

テストの点数や偏差値「だけ」の評価になってしまうと… Photo by iStock

例えば「じっくりクラス」「チャレンジクラス」のような名前でグループ分けします。そうなると、チャレンジが一番上、という見方を子どもはします。塾では多くのことが成績順に分けられているためか、なんで僕が一番下なの? なんで二番手なの? と子どもたちは訴えてくる。偏差値や序列を気にするのです。

親御さんも同じです。
「うち子はなぜチャレンジじゃないんですか?」
説明をしてもなかなか納得してもらえないこともありました。

偏差値を過度に気にしてしまうと、意外にも「妥協の受験」に陥ることが少なくありません。

行きたかった学校があって中学受験が始まったのに、どんどん志望校が変わります。本当の目的は何だったのか? が、親子の中でどんどん薄まっていく。サッカーのジュニアユース(中学生年代)のセレクションと似ています。行きたいチームではなく、チームの知名度や強さの順番で受けるケースが多いのです。