獣医師で作家の片川優子さんによる連載「ペットと生きるために大切なこと」。ご自身も犬と猫を飼っている片川さんが、今までの体験も踏まえて「どうしたらひととペットが楽しく生きることができるか」を具体的にお伝えしている。

HIKAKINがYoutubeでお披露目して話題となった飼い猫「まるお&もふこ」は、スコティッシュフォールドという猫種。この品種の猫は、耳が立っていない「折れ耳」や「スコ座り」と呼ばれる足を投げ出す座り方が可愛いと有名だ。

実はこの品種は奇形種で、足が痛いからこそ「スコ座り」になるという友森玲子さんの記事が出ると、「知らなかった」「人間の勝手で生み出されたの?」と大きな反響を得た。人気のHIKAKINが飼ったことにより、スコティッシュフォールドの抱える問題点を知らしめることができたといえるだろう。

スコティッシュフォールドは「折れ耳」でも知られている Photo by iStock

ところが、スコティッシュフォールドだけではなく、猫そのものが実は関節炎になりやすいというのだ。どういうことなのだろうか。改めてスコティッシュフォールドと猫の関節炎について伝えてもらおう。

片川さんの今までの連載はこちら

関節が膨らんだ猫がやってきた

「家で間違って折れ耳同士をかけてしまったんです。」

オーナーが連れてきた猫は明らかに関節が膨らんでおり、診察台の上でじっとうずくまっていた。猫は中年齢にさしかかったばかり、老化では説明しきれない症状だ。

猫種はスコティッシュフォールド。骨軟骨異形成症だった。

その猫は、診断がついてから数年経っていたが、若い頃からずっと鎮痛薬を飲み続けているのだと言う。そして、この猫は死ぬまで鎮痛剤を飲み、痛みと付き合っていくしかないのだ。

折れ耳のスコティッシュフォールドは病気?

折れ耳のスコティッシュフォールドは病気――そんな話を聞いたことがある人はいるだろうか。ペット保険会社の調べによると、2019年人気の猫種ランキング1位はスコティッシュフォールドだという(文献1)

そんなスコティッシュフォールドといえば、折れた耳とおとなしい性格、そして特徴的な「スコ座り」を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、それらがすべて病気の象徴だとしたらどうだろうか。

足を前に投げ出す「スコ座り」 Photo by iStock

今回は折れ耳のスコティッシュフォールドに認められる骨軟骨異形性症と、他の猫でも高齢になるとみられる関節炎について特集したいと思う。