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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』重要な問いの数々

歴史的場面に立ち会おう

最後のチャンス

全9部作からなるスターウォーズの最終エピソード「スカイウォーカーの夜明け」が公開中である。

今後もさらに枝葉のエピソードによる連作がつづけられると思うが、本編はこれが最後だ。1977年の第1作からいよいよ最後の9作目。「これだけは」とスクリーンで見続けてきた筆者としてはただただ感無量。そういう同年代は多いだろう。

他方で「今まで1作も見たことがない」という人も少なくない模様。

だが、そうした人にこそ「今回だけはちゃんと見ておけ」とメッセージを送りたい。

もっとも、いきなり9作目からではと逡巡する向きも多いだろう。

そこでここでは、このスターウォーズという映画を見る姿勢というか、この映画独特の鑑賞法についていくつか手ほどきを示してみようと思う。

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まず大切なことは、スターウォーズ9部作は、間違いなく50年後、100年後にも残る映像作品の一つになるということだ。

考えてほしい。まず、9つの連作映画で一つのストーリーを構成するという壮大な計画が実現したということ、それ自体が奇跡である。いや、そもそもそのような大それた計画をくわだて、実現しようとしたということが、本来驚くべきことのはずだ。

我が国には例えば、寅さんシリーズ「男はつらいよ」のような超連作映画がある。だがそれははじめから計画した連作ではなかった。

それに対し、スターウォーズははじめから9連作として企画されたものだ。

私たちは現実に実現してしまったことについて、どこかで当たり前のこととして軽んじる傾向がある。

だが「たかがSF映画」などとあなどるなかれ。こんな映像作品は二度とできない。実際、何度も挫折しかけた上でのようやくの完結作である。

筆者はこの作品に、リヒャルト・ワーグナーの連作歌劇「ニーベルングの指輪」(4部作)を重ねる(なおワーグナーはこれを歌劇ではなく、舞台祝祭劇とする)。

歌劇と映画という差はあれ、スターウォーズは「指輪」に匹敵する100年に1度あるかないかの演劇大作である。

その大作の最終ページに今ならまだ参加し体感できる。その歴史的なチャンスを逃さないでほしいと、まずは映画の中身に関係なく、とくにまだこの作品を1本も見ていない人にうったえたい。

というのも、ついに最終作の完成なのに、配給元はこれまでのファンに見もらえば十分と考えているのかと思うぐらい、今回、新たなファン層の獲得には消極的に感じるからだ。

だが、この作品は一部の愛好家だけが楽しむべきものではない。もっと多くの人が鑑賞し、また新たな世代に受け継いでいくべきものだ。そうあってほしいのである。