中国発「新型肺炎」が生み出す大事態を恐れすぎてはいけない理由

患者は犠牲者か、それとも…
美馬 達哉 プロフィール

中国発の新型肺炎2019

2019年末、中国湖北省武漢市の華南海鮮市場での原因不明の肺炎の発生が報告され、12月31日、中国政府は27名の肺炎患者の存在を認め、元日にはすばやく市場を閉鎖した(これはかなり迅速な措置と思う)。

当初は動物から人間への感染が疑われ、人間から人間には感染しないと考えられた。
そのため、生きた動物や生肉が食用に取引される市場を閉鎖すれば、新型肺炎の蔓延を封じ込めるとの見通しだったわけだ。

だが、その考えは甘すぎたようで、1月9日に1人目の死亡者が出てからも拡大は続き、1月21日現在では感染者は200名以上で死者は4名となっている。

〔PHOTO〕iStock

中国国内では広東省に飛び火して拡大し、国外ではタイや日本や韓国や米国などにも感染者が出ている。

日本では、1月10日から15日まで入院していた30代の中国人男性が、武漢市に渡航歴があり、この新型肺炎に感染していたことが16日に明らかになった。

華南海鮮市場に行ったことはないという本人の言葉が正しければ、武漢市で一緒にいた父親から感染したことになる。

実際、人間から人間への感染は相次いでおり、1月21日には武漢市の医療従事者15名への感染が報告されている。

 

旧暦での正月である春節を迎えた中国では人びとの大移動が起きるため、新型肺炎の中国全土さらには世界への拡大が懸念されている。

動物から人間への局地的な突発的感染と思われた病気が、人間から人間へと感染し、あっという間に世界に拡大するシナリオは、21世紀の新興感染症の一つのパターンとなっている。

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