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日本の「ワーママ」はなぜかくもしんどいのか、その根本的理由

「私はここにいていいの症候群」とは?

家事に育児に職場でのアウトプット…日本のワーキングマザー(ワーママ)はあらゆるものを求められ、とんでもなくしんどい状況に追い込まれている。その一因は企業とワーママの関係にあると、『女性マネージャーの働き方改革2.0』(生産性出版)の著者で法政大学教授の高田朝子氏は解説する。

「私、必要とされてないかもしれない…」

都内のメーカーに勤めるAさん(35歳・女性)は、出産後、職場復帰したものの大きな不全感を抱えている。育休からは復帰した。夜明けから役所前に並び保育園を確保した。家の近くの第一希望からは外れたが、それでも通勤沿線にあるところに入所できた。

しばらくは時短を取るが、早く本復帰したいと思っている。育休の間に、職場で忘れられてしまうのではないかと何度か赤ん坊を連れて顔を出した。結局ものにはならなかったが、育休の遅れを取り戻そうと通信教育も受けてみた。

それなりに覚悟を持って職場に復帰したものの、当たり障りのない仕事ばかりをアサインされる。産休前と比較すると充実感がない。一生懸命やっているつもりだが、私はこの会社ではあまり必要とされない存在になってしまったのかもしれない。

評価されている同僚を見ると、私の方が出来たのに、と思う。家事や育児を夫は手伝ってくれるが、私の求めているレベルにはない。最近、自分は一体何をやっているんだろうと空しくなる…。

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人口減少とワーキングマザーの増加

ワーキングマザーは増え続けている。「令和元年版 少子化社会対策白書」(2019)によると、1985年からの5年間と比較して、2010年からの5年間で育児休業利用して出産後継続して働く人が1.5倍に増加し、育児休業の利用率は5倍以上に増えている。ここ10年でワーキングマザーが急激に増加し、企業も社会も、そして本人たちも、どのように彼女たちを扱って良いのか、どのように振る舞えば良いのか試行錯誤を繰り返しているのが現状である。

今までワーキングマザーから昇進をし続け、マネジメント層に進んだ女性は極端に少なかった。ところが、待ったなしの人口減少の環境の中で、企業は昇進を見据えたワーキングマザーの処遇とキャリアパスの提示が求められている。