早期退職で大失敗→無職に…49歳・元大手メーカー社員の大誤算

失敗する早期退職の「共通点」
寺田 淳 プロフィール

ラーメン店が閑古鳥

宮仕えの苦労から一国一城の主へ。そんな夢を抱き、割り増し退職金を元手にラーメン店を出したのが、山田太一さん(仮名・42歳)でした。

元々ラーメンの食べ歩きが趣味で、休日は自分独自のスープの開発を続けてきたため、味には絶対の自信がありました。開店前にはめぼしい町の市場調査も行い、準備万端の船出でした。

ところが、出店した場所が好立地だったことが災いしたのか、1年余りで近隣に同業店が3軒も相次いで進出。競合が激化してしまったのです。

ここまでは運が悪いだけですが、そうした事態への対応でも下手を打ってしまいます。目先の集客に固執し、ランチタイムは800円の主力商品を、14時以降18時までの閑散期には一律500円の出血サービスを打ち出したところ、肝心のランチタイムはガラガラの閑古鳥状態。以前と同じ集客数こそ確保できたものの、大幅な利益減となると共に、周囲からは「安売りの店」のレッテルを張られたために、価格の修正も出来ないまま貯えを食い潰しています。

 

失敗の「共通点」

これらのしくじりに共通するのは、退職後の明確な方向性を欠き、時間管理が甘く、楽観的というよりも情報軽視によって失敗を繰り返し、回復困難なダメージを負う点です。たまたまかもしれませんが、ここに紹介したケースはすべて第三者に相談していなかったことも共通していました。自分なりの目算や勝算があったのでしょうか? あまりにも情報軽視、分析軽視です。

さらにこれ以外にも、知人の何某がどこそこに再就職出来た、誰々は起業して成功している。だったら会社時代に常に上位にいた自分ならもっと上の成功は間違いない。といった自信過剰、勘違いから早期退職を決めた失敗経験者がいます。今はその決断の無謀さが分かったそうですが、当時はまったく(成功を)疑わなかったとのことでした。