早期退職で大失敗→無職に…49歳・元大手メーカー社員の大誤算

失敗する早期退職の「共通点」
寺田 淳 プロフィール

私も現在は行政書士として活動していますが、以前は大手音響メーカーの社員で、11年ほど前に早期退職プログラムを利用して40代で独立・開業した一人です。

そうした経験もあり、今では早期退職に関する相談に乗ることも多いのですが、なかには、冒頭で紹介した事例のように、早まって退職する前になぜ相談してくれなかったのか、と悔やまれる例も少なくありません。そこで、今回はそうした経験から、とくに大失敗した事例を紹介しつつ、それを反面教師に、早期退職プログラムをどう活用すれば良いか私なりのアドバイスをしたいと思っています。

 

そもそもここにきて多くの企業が早期退職プログラムを打ち出している理由はどこにあるのでしょうか。

企業側の視点でみますと、現在50代前後の世代は「年功序列の恩恵を享受する最後の受益世代」であり、社内では「分不相応な待遇」の中心と捉えられています。さらに国が今後「70歳定年制」を企業に課すような話もあるなか、会社側としても先手を打って「人員の抑制・選別」を図り、将来の負担増を最小限に留めたいと考えていると思われます。その結果が40代のスリム化と考えて間違いないでしょう。

〔PHOTO〕iStock

従業員の側に目を向ければ、いわゆるリストラ、圧迫面談のような意思確認を繰り返し実施され、不本意ながら応じるというケースが多い一方、自らの意思で退職に応じるケースもあります。確かに40代以上であれば通常の退職金でもそれなりの額になりますが、会社都合による早期退職勧奨による割り増し退職金の提示には魅力を感じるのも、無理からぬ話だと思います。

ですがそれだけの理由で安易に早期退職に応じると取り返しのつかない事にもなり兼ねません。

以下、私が実際に見た「しくじりパターン」を紹介していきましょう(※なお年齢は退職当時の年齢です)。