がんの授業の中で子どもたちから学んだこと

また、小学校での授業終了直後に、一番前に座っていた男の子から「質問があります!」と手が上がりました。担任の先生は、男の子が日ごろからやんちゃなため、「何を言い出すんだろう」と内心、心配になったそうです。

ところが、その男の子は、「僕のお父さんは脳腫瘍です。お父さんは死にますか?」 と栗原さんに聞いてきた。

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栗原さんが「お父さんはいつから病気と闘っていらっしゃいますか?」と質問すると、「僕が幼稚園のときから」。

「お父さんは約7年間も、病気と闘ってこられました。お父さんは強い方です」と答えたら、男の子は満面の笑顔になりました。

授業を終え、校長室に向かうと、担任の先生は号泣していました。

「彼に悪かった。お父さんの病気のことを全然知らなかった…。学校で毎日生活しながらも、彼は不安だったのですね。父親が死んでしまうのではないかって」と。

「6年間授業をする中で、子どもたちの反応から、私たちが学ぶこともたくさんあります。がん教育の目的は、がんを正しく知る、健康と命の大切さに気づくことです。これをきっかけに、がんを正しく理解し、必要以上に怖がらず、がんを差別しない社会ができてくれたらと思っています」(栗原さん)