小児がんのりえさんと千疋屋の葡萄

そのお母さんは次のようなお話を子どもたちの前で語りました。

小児がんで亡くなった当時小学1年生のりえさんは、抗がん剤治療中、大好きな葡萄だけが食べられました。葡萄が手に入らない季節になって、家族や友人、知人が葡萄を求めて探し回ったところ、千疋屋丸の内店で見つかったのです。

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千疋屋から綺麗な箱に入った葡萄が送られてきたのがきっかけで、お店のみなさんとりえさんの約2年半にわたる文通が始まりました。

りえさんが亡くなった後、千疋屋からりえさんの書いた手紙が全て、お母さんのところに戻ってきました。お母さんは「初めて本当のりえの気持ちがわかった気がします」と話し、そのりえさんの手紙7通を読み上げて紹介をしています。

「おじちゃん、お返事ありがとう。学校に行ったよ。お友達がたくさんできたよ」と最期まで明日を信じ、一生懸命に生き抜いたりえさんのたくましさに、子どもたちは身動きひとつせず、聞き入っていました。

「がん教育は、がんの正しい知識と理解が基本的な目的ですが、自殺防止、いじめ防止、偏見や差別をしない、ということにもつながっています。子どもたちの感想文にそれが表れているんです」と前出の栗原さんは言います。