ついに中国に訪れた「バブル経済清算」のとき、一体何が起きるのか

荒療治は避けられない
津上 俊哉 プロフィール

中国も得る物が乏しかった

「フェーズワン・ディール」で大した成果を挙げられなかったのは中国も同じだ。

中国は6月の大阪首脳会談で「今後は関税の脅しをかけない」約束を取り付けた(中国はそう受け取り、それゆえ首脳会談に応じた)のに、トランプはわずか1ヵ月でその約束を違えた。

 

トランプは、5月から発動されたファーウェイ社などに対する半導体など米国製品輸出の実質禁止措置(いわゆるエンティティ・リスト規制)を、一部緩和することも大阪で約束したが、その約束も履行されないままだった(12月になってようやく実施)。

中国流交渉術からすれば、「この約束違反の落とし前をつけないかぎり交渉には応じられない」とつれない姿勢を示すべきところだが、米側が9月に流し始めた「部分合意」提案には中国側も飛び付いた。

中国はその後の交渉で関税引き上げの全面撤回にこだわったが、最終的には9月から実施された第4弾(12月実施予定を除いた一部)の引き上げ幅を半分の7%に縮めただけだった。

当初目標に比べれば甚だ不満の残る中身だが、中国は「撤回」にこだわって交渉を長引かせていると、「何をするか分からない」トランプが、本気で全面エスカレーションのボタンを押してしまう恐れなきにしもあらず、そのときに経済がどれほど大きなダメージを被るかを考えると、「撃ち方止め」にして、いまの不安を解消する方がましだという選択をしたのではないか。

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