ついに中国に訪れた「バブル経済清算」のとき、一体何が起きるのか

荒療治は避けられない
津上 俊哉 プロフィール

得る物が乏しかった米国

先週の「フェーズワン・ディール」で米国が「獲得」した譲歩は、「農産物など米国産品の輸入拡大(ショッピング)以外は見るべきものがない」という評価が専らだ。

たしかに、「ショッピング」以外で掲げられた知財権保護、外資企業の待遇改善、市場開放などの措置は、強制されるまでもなく中国自身がやろうと考え、既に法改正や市場開放措置などで実行に移されているものが多い。

 

昨年5月、9割方まとまっていた交渉を中国が引っ繰り返す「中国卓袱台返し」事件が起きた。

そのときは「150ページに及ぶ合意文書案が100ページ前後にまで削除、後退させられた」と報じられたが、先週トランプと劉鶴の間で調印された合意文書はさらに短い86ページしかない。5月以来大騒ぎをした挙げ句出てきた中身に新味がないことを象徴するエピソードではないか。

途中(2008年11月から2019年3月までの貿易休戦期)、中国が産業政策や国有企業問題にまで踏み込もうかと考えたいっときはあったように思える(削除された50ページ分の中には、それが入っていたはず)。

しかし、貿易戦争の傍ら、超党派の対中強硬派が中心となって進めたハイテク冷戦(ファーウェイ・ボイコットなど)問題が深刻化するのを見て、中国は「そこまでの譲歩は無意味だし、できない」と考えたというのが筆者の見立てだ。

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