「パートナー宣言」のようなプログラム

1部の最初のほうに、高橋選手がパートナーを組むことになった村元哉中選手のソロがあった。「Feeling Good」の曲にあわせて、アイスダンサーらしく体をいっぱいに使う、ドラマティックな舞で、その実力を披露。演目の最後に高橋選手が登場し、最後には接近して艶のあるラスト。パートナーの村元選手のお披露目であり、改めて「僕はこの人と組みます」という宣言のようなプログラムだった。

その後、各スケーターのソロ、バイオリニストの宮本笑里さんのバイオリンとコラボなどが続いた後、一部の最後、いやこのショーのメインイベントともいえる、「The Phoenix(ザ・フェニックス)」のグループナンバーが始まった。

これは、高橋選手が、自らの最後の男子シングルの競技プロとなるSPのために、ビヨンセなど世界的なア―ティストのダンスの振付師、シェリル・ムラカミに依頼した異例のプログラム。米国のロックバンド、フォール・アウト・ボーイが4年ぶりに復活した時のアルバムに収められた曲「ザ・フェニックス」を使っている。激しいロックにあわせ、最初から最後まで踊りまくるクレイジーな振り。これを氷上にうつし、競技の要素でレベルがとれるようにアレンジしたのが、今回のコラボにも参加するウズベキスタンの元選手、ミーシャ・ジーだ。

フェニックスコラボ冒頭の動画をミーシャ・ジー本人がインスタグラムに公開している 「ミーシャ・ジー公式インスタグラム@mishage8」より

圧倒的なカッコよさ

今回はショーのグループナンバーにアレンジ。高橋さんが「人数を増やしてやってみたい」と思っていたことが実現したという。最初にエラッジ・バルデさん、小林宏一 さん、小沼祐太さんら男性スケーター3人が、氷上で鳥のように舞い始め、やがて宮本さんのバイオリンがあやしくドラマティックになり響く。そしてついに「ザ・フェニックス」のイントロと共に、高橋さんのフェニックスが降臨。

フェニックスコラボをした4人、左からエラッジ・バルデ、小林宏一さん、高橋さん、ミーシャ・ジー、小沼祐太 「小林宏一インスタグラムより @piw.hiro1」

ものすごい歓声だ。そんな中で3名の猛禽類を従え、伝説の不死鳥が舞う。動くたびにエロスと華が飛び散る、そのキレッキレのステップと舞。もはや会場はロックコンサートのようで空気が熱い。さらにミーシャ・ジーも加わった。山場に向け、5人一斉にのけぞって首がもげるほど回す大迫力の振り付けで魅せ、会場は狂乱の渦へ。そして最後は高橋さんとミーシャ・ジーとダブルのステップ。全日本の時の手負の猛禽類がもだえ苦しむような舞とはうってかわり、圧倒的にカッコいい、生き生きと甦った、強いフェニックスがそこにいた。

最後のポーズを決めた瞬間、会場はまさに爆発したような熱気と声援。合計3日間6公演あったこのショーで日々このパフォーマンスは迫力とキレを増し、楽の公演では、天井が落ちるのではないかと心配になるほどの大爆発だった。

しかしこのナンバーまだ第一部の終わりだ。幕間ではざわめきは消えず、多くの人が放心状態になっていた。