1月24日 「ボイジャー2号」が天王星に最接近(1986年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

アメリカ航空宇宙局(NASA)のボイジャー計画によって1977年に打ち上げられた「ボイジャー2号」が、この日、天王星に最接近しました。

天王星最接近までの旅路

ボイジャー計画(Voyager program)は太陽系の外惑星(地球より外側の太陽系惑星)および太陽系外の探査計画です。

【写真】ボイジャー無人惑星探査機
ボイジャー無人惑星探査機。1号、2号とも基本的には同一仕様 photo by gettyimages

この計画に従って1977年に打ち上げられたボイジャー2号(Voyager 2)は、1979年に木星、1981年に土星に接近して、新たな惑星の発見や惑星の環境などを観察し、そのデータを地球に送り届けました。

関連の日:8月20日 惑星探査機ボイジャー2号打ち上げ(1977年)

ボイジャー2号の木星と土星の観測
木星の64万5000kmに接近(1979年7月9日)
木星の衛星「アドラステア Adrastea」発見、木星衛星16個までの存在が明らかに
非常に淡かった木星環の撮影
大赤斑の近接観測
土星まで10万1000kmに接近(1981年8月25日)
土星環の観測(厚さ150m程度であることや、細い環の集合で捻じれたものがあることなど)

天王星への接近

土星探査を終えたボイジャー2号は、次なる惑星天王星へと向かいました。天王星(Uranus)は、直径は地球の4.1倍ほど、重さは約15倍あり、ドイツの天文学者F・W・ハーシェル(Sir Frederick William Herschel、1738-1822年)が発見し、J・ボーデ(Johann Elert Bode、1747-1826)によって名付けられた惑星です。

関連の日:3月13日 天王星の発見(1781年)

ボイジャー2号は、天王星に距離約7万1000キロメートルまで接近、これは地球と月の間の距離の5分の1以下になります。

【写真】ボイジャー2による天王星の画像
ボイジャー2による天王星の画像(フィルター処理がなされている) photo by gettyimages

そして、そこで行われた観測から、天王星には15個の衛星があることがわかりました(その後さらに発見され、現在27個が判明)。また、天王星には11本の環があることがわかりました。

天王星環については、すでにインド洋上のジェット機から存在自体は確認されていましたが、ボイジャー2号の観測により詳細なデータが得られたことになります。

ボイジャー2が観測した天王星の環 photo by gettyimages

天王星誕生に迫る大きな発見も!

また、天王星は自転軸と磁気軸が60度開いているほか、赤道面が軌道面に対して97.9度も傾いていることがわかりました。つまり、天王星は自転軸が前倒しになっているため、自転にともなって昼と夜が変わるのではなく、地球時間で42年ごとの公転周期によって夜と昼が入れかわっているのです。

これは、直径がその半分ほどある他の天体が、原始天王星の公転運動面に対して垂直に近い角度で衝突した衝撃によると考えられています。

【CG画像】赤道面が軌道面に対して97.9度も傾ている天王星
赤道面が軌道面に対して97.9度も傾ている天王星 photos by gettyimages

こうした新事実をもたらした観測項目は11あまり。観測を終えたボイジャー2号は、スイングバイ(フライバイ)によって、次なる寄港地「冥王星」へと向かいました。

さらに航海は続く

ボイジャー2号は、1989年8月25日には海王星へと接近し、そこでも数々の新発見をもたらしました。

2018年12月、ボイジャー2号が同年の11月に太陽系を包む太陽圏(ヘリオスフィア、Heliosphere)を脱して、星間空間に到達したことを、NASAが発表しました。2012年の8月に脱したボイジャー1号に続いて、太陽圏の外へ出た2つ目の人工物となっています。

先に太陽圏を脱したボイジャー1号の観測データと比較することで、予測した理論がたしかめられた事実がある一方、新たな謎もたらされ、私たちの好奇心を掻き立ててくれます。ボイジャーの旅は、まだまだ続きます。