トレンドを取り入れ今どきのおしゃれをしている人よりも、私たちが憧れるのは、身につけているものではなく、印象や存在自体が素敵な人。そんな真のラグジュアリーを体現できる、メイド・イン・ジャパンにこだわった名品を、齋藤薫さんのエッセイとともにご紹介します。

【1】 服の印象は残さない。
着る人の「素敵な印象」だけを残す服

すれ違った後、ずっと記憶に残る人がいる。存在が忘れられなくなる人がいる。でもそういう人に限って、何を着ていたのか覚えていない。素敵だったことしか覚えていないのだ。でもそれこそが洗練なのだろう

服の記憶が人の印象を邪魔する服とは逆に。とは言え、地味とは違う。むしろある意味派手。上質な素材、完全なる仕立て、美しいシルエット……三拍子揃った服はトルソーが纏っているだけで、とてつもないオーラを放つ。遠目からでもハッと目を引くほど。にもかかわらず不思議、人が着ると急に自らの存在を消し去り、着る人を際立たせる。なんと賢い服だろう。

ジャパンブランドにはそういう服が本当に多い。このオーカ・トランクのように、人のため、影に徹する素晴らしい服が。

ジャケット¥55000/テイラーアンドクロース(オーカ・トランク)☎03-6804-5249

驚くほど軽快な着心地と
美シルエットにこだわった一着

テンセルのとろみと美しい落ち感に、ストレッチ性をもたせた究極素材のジャケット。柔らかい素材ゆえ、仕立てが難しいジャージー素材も、70年培ったテーラー技術を生かし、きちんと感がありながら軽い着心地を実現。肩周りに負担をかけない肩入れ、日本人の体型を意識したパターン作製など、これぞ高機能なジャパンクオリティと言うべき逸品。

【2】着ける人も、見る人も、
優しくする「パール」

パールに“宝石”という言葉はそぐわない。“ラグジュアリー”を豪華で贅沢と訳すなら、これも似合わない。パールは別格、磨いて光を作る宝石とは根本的に異なり、貝に育まれる光の珠。神様の贈り物としか思えない生い立ちも、崇高にして神秘的。にもかかわらずセーターやデニムに合わせることすら許してくれる。パールは何とも人に優しいのだ。

身に付けると心が洗われたように物腰が優しくなり、それを見た人がまた心安らかになるのは、紛れもなくパールの魔法。乱獲が続き、心を痛めた日本人がミキモトパールの誕生である。それも1つの愛ある自然保護だったとは言えないだろうか。

ネックレス〈18KWG×アコヤ真珠〉[約80㎝](約8.0~8.5㎜)¥1560000[約120㎝](約6.0~6.5㎜)¥600000[約120㎝](約7.0~7.5㎜)¥1020000 ブローチ〈18KWG×18KPG×アコヤ真珠×ダイヤモンド〉¥3500000/すべてミキモト カスタマーズ・サービスセンター(ミキモト)☎0120-868254

最高の美意識を持って
真珠を育むMIKIMOTOの矜持

ひとつとして同じものがない真珠の個性を見極め、同じ色、同じ光沢のものを並べていく「マッチング」という作業を何度も繰り返すことで、この美しいネックレスが完成する。