元経済ヤクザが総括「ゴーン氏は、もはやマフィアを超えた」

逃亡は「新展開」ではなく「帰結」
猫組長(菅原潮) プロフィール

ゴーンは「反体制のアイコン」か?

その郷原氏に相乗りする形で、

「ゴーン氏が日本の司法制度について語るのは盗人猛々しくて許せないが、元暴力団組長の自分が司法制度を語るのは当然であるという素敵なダブルスタンダードです。猫組長が司法制度を語るのは自由でしょうが、当然ゴーン氏が語るのも自由でしょうし、ゴーン氏が盗人猛々しいなら猫組長も同じでしょう」

と、私を批判したのが元新潟県知事の米山隆一氏である。

本稿程度の言語能力しか有しない私の至らなさか、理解に苦しむ日本語だ。こちらも暴力団員だった私の「過去」を問題にしているようではある。

米山氏は出会い系サイト「ハッピーメール」を通じて女子大生を買春していたことで県知事を辞任した。そのような安い遊びをしたことがない私には、それが県知事を投げ出すほどの動機かどうか判断できないし、買春の過去を議論の「資格」とすることもない。

ただし、現在一般市民である私と、現在「被告」であるゴーン氏を同列に扱うロジックが成立しないことだけは確実だ。

ゴーン事件による「刑事訴訟法改正」とは、日本国憲法が持っていた「性善説」の方向性を変えるほどの大事態であることを見逃している人はあまりにも多い。優秀な政治家であらせられた米山先生が問題にするべきは、ゴーン事件をきっかけに国民の自然権が毀損されつつあることだと私は考えているのだが……。

国際社会で「日本の司法制度」を批判するゴーン氏の論調は、現在の日本の在り方を批判する層の「アイコン」になっている印象だ。政治に夢を抱かない私だが、テロという暴力や外圧によって制度変更を試みることに賛成の立場ではない。日本には選挙制度があるのだから、現体制を転覆させたいのであれば選挙を通じて行えばいいだけの話だ。

傭兵を雇って国外脱出を実現したテロリストレベルの人間を反体制のアイコンとするのは、あまりにも安直だ。そんなことで民意を得られると本気で考えているとすれば、それこそ「民意」を馬鹿にしていると言えるだろう。

そもそもの事件の被害者は日産と投資家だった。だが国外逃亡によって日本国民も被害者となったことを忘れてはならない。最大多数の被害者の立場から物を考えなければ、「民意」には繋がらないことは「猛々しい」私でさえ理解できるのだが。

 

「アメリカ」からは逃れられない

さて、ひとまず日本の司法制度から逃亡した形のゴーン氏だが、蓄えた資金を元手に悠々自適の生活を終生送れるかは不透明だ。