トランプ大統領は、2017年の7月末から8月初旬にかけて次のような発言をしている。
「わが国が戦争をしている間に、中国はアフガニスタンのレアアースで金儲けをしている」
鉱物資源は経済戦争の新たな武器だ。
グローバリゼーションは可能な限りの利益を求め、情け容赦のない資本主義と経済自由主義に根ざしている。このルールから逃れられる国はない。
国家も企業も、収益性の高い〝売れる〟商品を生み出してくれる工業生産を支え、その強化に必要な3つの要素をそろえようとする。天然資源(鉱物、木材など)、エネルギー(主に炭化水素と電気)、テクノロジーの3つ――これらはどれも限りあるものであるゆえに、欲望や妬みを招き、結果的に争いごとに発展する。
中国やインドをはじめ、世界中で産業の発展が加速していることにともない、天然資源、とくに炭化水素と鉱物の消費量が増加している。