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「強い怪獣」を思い出して。それ、名前に「濁音」が入ってませんか?

声に出したくなる⁉ 音象徴の世界
言葉って不思議ですよね。意味を知らない単語であっても、「なんかこれは大きそうだ」「なんかこれは柔らかそうだ」みたいなイメージがなんとなく持てるんですから。

たとえば、「ミロマレ」ってなんか丸そうな感じがしませんか? 今回は、このような「言葉の音によるイメージ」の仕組みを日本科学未来館の科学コミュニケーターがやさしく教えてくれました。
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なまえをにゅうりょくしてください▼

みなさんこんにちは、日本科学未来館の科学コミュニケ―ターの宮田です。

さっそくですが質問です。下の2つの図形にmaluma(マルマ)とtakete(タケテ)という名前を付けてくださいと言われたら、みなさんはどちらをmaluma(マルマ)、どちらをtakete(タケテ)と名付けますか?

どうでしょうか。左の角ばっている図形にtakete(タケテ)という名前をつけませんでしたか?

頭の中で「この角ばっている方、なんだかタケテっぽいなぁ」と思いませんでしたか?

これはヴォルフガング・ケーラーさんという心理学者が行った実験です。この実験で、多くの人が左の角ばった図形をタケテと名付け、右の丸っこい図形にマルマという名前を付けました。

 

タケテとマルマならば、タケテの方が角ばったイメージがあります。このように、音によってイメージするものに影響がでる現象のことを音声学では「音象徴(おんしょうちょう)」と言います。

今回はこの音象徴について、どんな音がどんなイメージを与えるかご紹介したいと思います。きっと読みながらいろんな名前を声に出してみたくなるはず!

「角ばった音」と「丸っこい音」?

実は私たちがふだん発している音は、下図のように阻害音と共鳴音の2種類にわけることができます。

気づいた方もいるかもしれませんが、阻害音は濁音にすることができる音とその濁音・半濁音、共鳴音は濁音にできない音となっています。

もう少し詳しく違いを定義すると、阻害音は口の中の気圧が上がる音、共鳴音は口の中の気圧があまり上がらない音です。

実際にゆっくり大きめに発声してみると、阻害音では口の中に空気がたまってから出ていくことが実感できると思います。音象徴では、阻害音は「角ばった」や「近寄りがたい」イメージになり、共鳴音は「丸っこい」や「親しみやすい」イメージにつながると考えられています。

さっきのマルマとタケテの例で考えると、マルマはすべて共鳴音、タケテはすべて阻害音でできていますね。

この阻害音、共鳴音がもつイメージは先ほどのような図形だけでなく、人の名前が与える印象にも影響すると言われています(すべてのイメージが音象徴で決まるわけではありません)

濁音が入ると、大きい気がする

阻害音と共鳴音の違いだけが音が作り出すイメージではありません。次は濁音が与えるイメージについてみていきましょう。