深刻な「グルメサイト離れ」のウラでグーグルマップに食通が集うワケ

“投稿する楽しさ”を巡って
大久保 一彦 プロフィール

グルメサイト離れが起こった理由

そもそも、なぜグルメサイト離れが起こったのか。その理由の一つとして、かつてユーザーたちの間にあった「投稿する楽しさ」が失われたことが挙げられます。

以前のグルメサイトでは、自分自身の投稿がお店の点数に反映され、オープンした面白いお店が繁盛して、予約がとれなくなる。そういったプロセスに影響を与えるという楽しさを享受することができました。それこそが、いわゆる食通たちの投稿を駆り立てるモチベーションとなっていたのでしょう。

しかしある時から、そういった心から食を楽しむ食通だけではなく、点数の高い店だけを回って批評する、いわば“スタンプラリー客”のようなユーザーが徐々に増えてきたように思えます。

Photo by iStock

さらに、その状況に拍車をかけたのが、成長しそうな店に早く目をつけ、その影響力から予約の取れない店に枠を作ったり、貸し切りにしたりして、スタンプラリー客に「行ってみたい」という動機付けをした、グルメサイト界の“教祖様”たち。これらの教祖様のお眼鏡にかなった店が、より影響力ある投稿を増やすようになってきたのです。

こうしたユーザーの流れに迎合する形で、大手グルメサイトでは“レビュー件数重視”の動きがあったと筆者は考えております。

 

確かに大衆化されたグルメサイトにとってはある意味仕方ないのかもしれません。しかし、それは同時に食通たちの「誰も知らないうまい店を探す」という醍醐味を消すことにもなりました。

また、口コミの件数を増やすため、大衆迎合の料理が増え、わかりやすく、雲丹やキャビアなどをのせた、“インスタ映え”する料理を提供する店も増えました。それによって、美味しくないのにグルメサイトで評価されるこの状況が作られ、それに辟易した食通たちが離れていったと言えます。