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トランプ政権、ここへきて中国に「大きなご褒美」をあげた本当のワケ

大統領選を前にいま一番恐れていること

為替操作国認定解除という「ご褒美」

1月13日、米財務省は半期に一度の為替政策報告書を公表した。

予定されていた10月から3ヵ月遅れでの公表である。既報の通り、昨年8月に決定された中国に対する為替操作国認定が解除されたことで大きな話題を呼んでいる。

これが米中貿易交渉の第1段階合意の署名に合わせた動きであることは間違いなく、本来は客観的な基準に沿って運用されてきたはずの為替政策報告書が非常に政治的な運用をされた感が強い。

第1段階合意では中国の通貨政策に関し透明性を強化する為替条項が盛り込まれることになっており、操作国認定解除はその「ご褒美」といったところだろう。

もっとも、操作国認定を外れても「監視リスト」に戻されただけでもあり、今回は中国、日本、韓国、ドイツ、イタリア、アイルランド、シンガポール、マレーシア、ベトナムといった継続監視の9か国に加え、スイスも加わり、計10か国が監視対象国となっている(上図)。

 

ちなみに2016年4月、オバマ前政権が監視リストを導入した際、監視対象国は5ヵ国(中国、日本、韓国、台湾、ドイツ)しかなかった。

4年弱で監視すべき国が倍になったという事実は、対米貿易黒字を抱える国が増えたことを概ね意味する。

例えば2016年4月の報告書で基準値である対米貿易黒字(200億ドル)を超えていたのは7か国(中国、ドイツ、日本、メキシコ、韓国、イタリア、インド)しかなかったが、今回報告書では12か国に増えている。ドル高局面の継続がこうした状況を作っているという米財務省の主張には相応の説得力があろう。