人生に詰んだ元アイドルがどうしても伝えたい「アラサー女子の叫び」

赤の他人のおっさんと住んでみた結果…
大木 亜希子 プロフィール

有能な恋愛相談アドバイザー?

時にはササポンが、私にとって有能な恋愛相談アドバイザーになることもある。

ある日、向こうから頻繁に連絡がくるのに、いざ食事の予定を調整しようとすると幾度もドタキャンをかましてくる恋人候補の男性に対して私が苛ついていた時のこと。

リビングで叫喚する私に対してササポンが、

「孫正義でも、総理大臣でも、誰でも、どんなに忙しくても本当に好きだったら、無理にスケジュールくらい空けるでしょ」

と、さりげなく真理を突いて言ってきたのだ。

その瞬間、もはや清々しいほどにその男性への執着がなくなった。

そうか。ご縁があればまた会えるし、無かったらもうそれはそれで、さようなら、なのだと。

その男性にとって私は、残念ながら単なる“メル友”にすぎなかったのだ。

なぜ、ここまで私がその人に執着をしていたのか。

それは詰まるところ、私自身に「この人ならば口説き落とせるだろう」という打算と傲慢さがあったことが原因だった。

 

ただひとつの願い

女性は30代を迎える頃から急激に周囲から「結婚・出産・収入・パートナーの有無」をナチュラルにチェックされ始めるように思う。

「早く他人に人生を追いつかないとね」と、“世間の常識”に沿った言葉を善人のような表情で投げつけられると、私は絶望から前が見えなくなってしまう。

発言の内容によっては、「私には私の人生があります」とか、「それはセクハラですよ」とハッキリ申し伝えることが出来たら、それが一番スマートで良い。

だが時には、相手からの突然のジャブに耐えられず、すぐに応戦態勢になれない瞬間がある。

突きつけられた言葉の意味を素直に理解しようと、一瞬、考えてしまうからだ。

そして、傷つけられたあとで、やはり「なぜこんなことを言われなきゃいけないんだろう」と時間差で驚き、不用意な発言に悔し涙を流すのだった。

むろん、ササポンのような返答だけが“唯一の正解”ではないかもしれないし、私と同じ言葉を他者から投げかけられても傷つかない人もいるだろう。

しかし、もし今あなたが周囲にいる“迷える女子”に投げかける言葉に困っているのだとしたら。その時には、本コラムを読み返していただければ幸いです。

また、女性の皆々様におかれましては、もし私と同じような経験をしていたら、少しでも共感をしていただけたら嬉しいです。

私の願いは、ただひとつ。

今日も、明日も、明後日も、全てのアラサーが自由に生き、安心して平和に暮らせますように。

大木亜希子『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(祥伝社)