人生に詰んだ元アイドルがどうしても伝えたい「アラサー女子の叫び」

赤の他人のおっさんと住んでみた結果…
大木 亜希子 プロフィール

ササポンの「何気ない言葉」の数々

たとえば私には、8歳上の姉のほかに、奈津子という一卵性双生児の姉がいる。

一卵性ということもあり、姿かたちは私とよく似ているが、むろん人格は異なる。

普段は女優として活動している姉が、1年ほど前に一般人男性と晴れて入籍をしたときのことだ。

私をよく知るライター業界の先輩男性(50代)から、こんな言葉を不用意にかけられた。

「お姉ちゃんに、結婚、先越されちゃったね。早いとこ君もあとに続けるように、良いオトコを捕獲しなきゃ! 急げ、急げ!」

我が耳を疑った。姉には姉の人生が、私には私の人生がある。

しかしなぜ、私は他人からの勝手な期待により「捕獲」と揶揄され、結婚を急かされているのだろうか。

姉のことを祝福したい気持ちで心が満ち足りていた私にとって、その言葉はまさに青天の霹靂だった。

いや、心のどこかで、私自身にも「先を越された」という気持ちがあるからこそ、どこかで彼の発言が図星でショックなのだろうか。

さまざまな複雑な感情が入り交じるなか、その場で私は、

「ね〜! 本当ですよね。早いところ捕獲しなきゃ!」

と、感情のないピエロのような発言を返し、クソおじさんにリップサービスをしてしまった。最悪。

心の中が虚無感でいっぱいになりながら帰路につく。

 

その日、たまたまササポンと夕飯時が重なった私は、彼に事の顛末を話した。

すると彼は、とくべつ興味を示したわけでもなく、

「心から好きだと思う相手と結婚しないと、どっちみち離婚するよ?人生の大切なタイミングくらい、人と比べないで自分で決めたほうがいい」

と、私にポロリと言う。彼は自身の離婚経験を踏まえ、眩しいほどの正論をシレッと言ってきたのだ。

あぁ、ぐうの音も出ない。

彼の何気ない言葉が正しく私を導き、サラリと暗黒な気持ちをリセットしてくれる。

そして、不穏なモヤモヤが光速で成仏されていくのだった。