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ファーウェイ完全排除へ…米中経済戦争は「全面戦争」になる

これは「トランプの気まぐれ」ではない

米中経済戦争は、トランプ大統領の個人的判断によるのではなく、アメリカ政府全体、あるいはアメリカ国民の広範な合意を背景としている。だから、簡単に解決するものではない。ファーウェイなどのハイテク企業に対する取引規制が強化されている。

 

解決にはほど遠い

米中間で、貿易交渉の第1段階合意がなされた。

この内容はつぎのようなものだ。

1.12月15日に予定していた中国製品1600億ドル相当に対する新たな関税(第4弾B)の発動を見送る。
2.中国製品1200億ドル相当に課している15%の追加関税(第4弾A)を半減する。
3.ただし、約2500億ドル相当に課している25%の追加関税は維持する。

これを見て、米中間の貿易不均衡が解消され、両国の関係は改善に向かうとの見方がある。

あるいは、11月のアメリカ大統領選に向けて景気を引上げる必要から、トランプ大統領が対立を緩和する動きに出るだろうとの見方もある。

しかし、そうはならないだろう。理由は2つある。

第1は、第1段階合意の主たる内容は、上で見たように、「12月に発動するとしていた第4弾のBを行なわない」というものに過ぎないだからだ。

ここで対象とされていたのは、スマートフォンや玩具などが中心であり、これに関税を掛けるとアメリカ国内の物価上昇をもたらす可能性があるため、もともと発動は難しいと考えられていた。

約2500億ドルに課している25%の高関税はそのままであることに注意が必要だ。これは、アメリカの中国からの輸入額(2018年で5390億ドル)の約半分になる。