〔PHOTO〕iStock

政府の「高級ホテル50ヵ所建設」プラン、その安易さとチグハグ感

実は「おもてなし」が苦手な日本人

訪日外国人をさらに増やすため、超高級ホテル50カ所を新設するという政府の施策が賛否両論となっている。もし実施されれば一定の効果が得られるのは間違いないが、単純にハコモノを用意すれば、観光客が増えるわけではない。日本は何を目的に外国人観光客を受け入れ、どんなメリットを追求するのか、もっと戦略的な議論を行うべきだろう。

 

訪日外国人、大半は「買い物目当て」

現在、日本には年間約3000万人の外国人観光客が訪れているが、政府はさらに数を倍増させ、2030年までに6000万人に拡大するという目標を掲げている。これを達成するため、多数のスイートルームを配置した超高級ホテル50カ所を、財政投融資を活用して新設するというのが今回のプランである。

〔PHOTO〕iStock

国際的な一般常識として、日本くらいの経済規模があり、かつ長い歴史のある国は例外なく観光大国となっており、その水準から考えると、現時点でも日本への観光客数はかなり少ないと思ってよい。では、なぜ日本は相対的に観光客数が少ないのかというと、基本的に日本社会が外国人観光客の来訪をあまり望んでいないからである。

今でもそうだが、外国人観光客誘致の政策には反対意見も多いし、外国人観光客が多数立ち寄る観光地の地元有力者が「外国人には来て欲しくない」などと発言し、問題視されることがあったくらいなので、基本的に日本社会は外国人観光客に対して閉鎖的といってよいだろう。

それにもかかわらず政府が半ば強引に外国人観光客の誘致に舵を切ったのは、ストレートに言ってしまえば、日本経済の貧困化が進み、小売店や飲食店などは外国人観光客がいないと経営が難しくなってきたからである。つまり背に腹は代えられないので、嫌々外国人観光客を受け入れたというのが実態だろう。