蔡英文総統「圧勝」の現場で目の当たりにした「台湾人の中国離れ」

この流れはもう止められない
近藤 大介 プロフィール

「台湾には民主と自由がある!」

テントの外は、民進党の勝利を蔡総統とともに祝おうという台北の若者たちが、何万人も繰り出していて、広場も街頭も立錐の余地もない。蔡総統の姿が見えると、群衆は興奮の坩堝(るつぼ)と化し、

「蔡英文!!!」(ツァイインウェン)
「総統好!!!」(ゾントンハオ=総統いいぞ)

の大合唱が始まった。

私は最前列から、その様子を見守ったが、まるでロック歌手のコンサートのようだった。若者たちは目をウルウルさせながら、民進党が作った「台湾要贏」(タイワンヤオイン=台湾勝つぞ)の旗を振ったり、携帯電話をライトにして翳したりしている。

蔡英文総統は、先ほど台湾内外の記者たちの前で見せた威厳を崩し、母親が息子や娘に言い聞かせるように語りかけた。

「謝謝! こんばんは。今晩は台湾人の夜だ。この自由の土地で、民主を守っていこうではないか。

先ほど国際記者会で、私の心情を述べた。台湾人は世界のメディアがこの地に参集している中で、勇敢な態度を示したのだ。私たち一人一人が『主役』なのだ。

今日は嬉しいことに、香港の朋友たちも来てくれた。中華民国台湾は、ここにある! そして私は、この地のリーダーであることが、最大の喜びだ!(「蔡英文!」の大合唱)

韓国瑜・宋楚瑜の両候補にも感謝する。二人は台湾の民主を、さらに一歩進めてくれた。たとえ国民党が勝っても、親民党が勝っても、同じ民主だ。これからは同じ台湾人として、団結していこうではないか。

改めて、皆さんが私にくれた信任と支持に感謝する。この一年は、本当に苦しかった。だがもう安心した。

何人来たのか分からないが、今晩は実に多くの人たちが、ここへ集まってくれた。もう遅いし、帰って寝ましょう。

私たち民進党は、一度失敗した。そしてその後、こうして復活した。民主と自由、そして改革への努力がなければ、今日の姿はなかったでしょう。

台湾人民に対して、最大の感謝を示したい。すべての若者に感謝する。

今日の投票のために南部から台北へ来て、帰りのチケットが買えない人もいる(投票は戸籍のある場所で行わねばならないため、台湾人の「民族大移動」が起こった)。投票のために、皆が頑張った。これが民主と自由というものだ。

あなたたちは、勇敢な台湾人だ。皆々様に、いまここで奏でている音楽隊も含めて、感謝を申し上げる。

だが今日は、まだ一里塚に過ぎない。あと4年で、さらに素晴らしい国にしてみせる。これから4年、私は台湾人のために奮闘する。

その4年、ともに歩んで行く副総統が彼だ(横の頼清徳次期副総統を指す)。台湾は永遠に、あなたを必要としている(一度は蔡総統を裏切った頼次期副総統は人気がなく、代わりに庶民派の蘇貞昌行政院長へのコールが沸き上がる)。

 

今日は私に投票しなかった人にも感謝する。われわれは皆、台湾人だからだ。彼らに対しては、4年後には私たちに投票してもらえるよう頑張っていく。

過半数をいただいた民進党は、絶対に裏切らない。厳粛に、一つ一つの政策を実現していく。改革を断行していく。

(中国は)民族の声望、台湾人の声望を聞いたろう。今日の結果が台湾人の選択だ。両岸関係の改善には、双方に責任がある。民主的な対話が必要だ。双方が発展するようにしていこうではないか。

選挙は終わった。これからは団結の時だ。明日、太陽が東の空から上がったら、また皆で努力しよう。団結して、すべての困難を乗り切ろうではないか。

台湾には民主がある! 台湾には自由がある! 今日の2300万人の団結に、全世界が感動している!」