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日本人だけが知らない「ゴーン逃亡」本当の罪…欧米はどう報じたか

人質司法の問題が放置されている
町田 徹 プロフィール

例えば、日産の前CEO兼社長の西川現取締役は1月9日朝、新聞やテレビの取材に応じ、ゴーン前会長のクーデター説を「不正の話とは全く次元の違う話だ」と否定したうえで、「あの程度なら日本で話をすればいいという内容で、拍子抜けした。裁判で有罪になるのが怖いと逃げてしまったのか、私としてはまた裏切られたという感じが強い」と述べたという。

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しかし、西川氏は、受け取るべきでない「SAR(ストック・アプリシエーション・ライト)」と呼ばれる株価連動型報酬を受け取っていたことが明らかになり、CEO兼社長を事実上、解任された人物である。

手続き上、取締役職にはとどまっているが、6月の株主総会で取締役職が更新されることはないとみられている。ゴーン前会長が国外逃亡して記者会見で自説を展開していなければ、そんな西川氏にこれほど偉そうなことを発信する機会をメディアが与えたとは考えにくい。

 

このほか、新聞は、ゴーン前会長が会見で実名を挙げて事件への関与を批判したことに対し、経済産業省出身の豊田正和・日産社外取締役がやはり1月9日朝、「法律違反をして国外に出ている方の自作自演にお付き合いするつもりはない」と述べたとか、別の幹部が「(日産はゴーン前会長に)損害賠償訴訟を起こすつもりなのに、根拠もなく不正を指摘できるわけがない。会見は自分を正当化する茶番にすぎない」と語ったと報じている。

新聞・テレビについては、レバノンでのゴーン会見が「過去に関係を築いたメディア」だけを招待する形で行われ、フランスや中東のメディアが大半を占め、日本のメディアは朝日新聞社、テレビ東京、小学館の3社しか入れなかったことも微妙に影響しているのだろう。日本での報道がゴーン批判一色となってしまった感を免れない。