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日本人だけが知らない「ゴーン逃亡」本当の罪…欧米はどう報じたか

人質司法の問題が放置されている
町田 徹 プロフィール

この陰謀に関与した日産関係者として、以下の順で6人の名前をあげた。あわせて肩書も記すと、前日産自動車CEO兼社長の西川広人取締役、ハリ・ナダ日産自動車専務執行役員、元日産自動車理事の大沼敏明三菱自動車秘書室長、豊田正和日産自動車社外取締役、川口均前日産自動車副社長、今津英敏元日産自動車監査役――である。

これらの人々が検察官や政治家と協力してゴーン前会長を追い落としたと語ったのである。しかし、事前の米国メディアの取材では明らかにすると表明していた、日本政府関係者の名前は「レバノン政府に迷惑がかかる」といい、明らかにしなかったのは肩透かしだった。

 

肝心の真相はいまだ分からず

次がいよいよ罪状への反論だ。この部分で比較的説得力があると筆者が感じたのが、役員報酬に関する有価証券報告書の過少記載問題である。取締役会決定はないし、支払いも完了していないので、ゴーン前会長は自身が無罪だと主張したのである。

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ゴーン前会長の主張を額面通りには受け取るわけにはいかないが、それでも、支払いが完了していない以上、日産が契約を破棄すれば過少記載にはならず、会社として金融商品取引法違反という不名誉で重い犯罪に問われることが避けられたはずなので、名前を挙げられた人たちの当時の判断と対応に理解しがたい部分が残るのは事実だ。

フランス政府からルノーとの不可逆的な経営統合というミッションを与えられていた、ゴーン前会長の権力が絶大であり、容易に退任を迫れるような状況になかったから、逮捕を利用して解任を目論んだという、ゴーン前会長の主張するクーデター説が真実味を帯びてしまうことも否定できない。

自動車業界で、ゴーン前会長に名前を挙げられた人物の一部が日本政府要人や経済産業省のもとに足しげく通っていた話も有名だ。