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トランプVSイラン戦争不発の背景…米国が去り中東は「部族社会」へ

「守るべきもの」は、もはやない

米国が手を引けば…

トランプ大統領が、イランの革命防衛隊幹部スレイマニを深い計算もなく暗殺し、それに対するイランの報復(8日、イラクの米軍基地はイランのミサイル攻撃を受けた)を見過ごしたことは、中東・湾岸地域に米国が深く関与する時代は終わったことを、白日の下に晒した。

 

中東・湾岸はジャングルの掟の支配する地域となろう。米国は手を引き、原油輸入国の指導者達はこの地域の「部族国家」の長たちと直談判で輸入の安全をはかることを迫られるだろう。

河野防衛相が外相時代から中東外交に力を注ぎ、安倍総理が同地諸国の歴訪を計画したのは、図星だったことになる。

トランプが今回も、本格的な戦争に踏み入るのを避けたことは、彼をみくびる気を諸国の指導者に起こさせる。イランも北朝鮮も中国もロシアも、大胆な行動に出てくるだろう。

日本の場合、特に心配なのは、北朝鮮はもちろんのこと、台湾をめぐる中国の出方だ。「トランプは出てこない」と習近平が悟った今──しかも15日には米中貿易協議の「第1段階合意」署名が行われる──、香港、台湾をめぐる中国の出方は強硬になるだろう。