台湾総統選「反中国派の圧勝」が、習近平と文在寅に与える大きな影響

「民主主義の力」は止められない
髙橋 洋一 プロフィール

一方、アジアでは歴史的経緯もあり、NATOのような多国間による安全保障体制がなかなか作りにくい。そこで日本では、安倍政権が「セキュリティ・ダイヤモンド構想」を表明し、日本とアメリカ(ハワイ)、オーストラリア、インドの4ヶ国でダイヤモンド状のネットワークを構築し、アジア・太平洋地域の民主主義や法による統治など、共通の価値を守っていくことを提唱している。

名指しこそしていないが、これが対中国を念頭に置いた構想であることは一目瞭然だ。

そこでは、日本は韓国をあまりあてにしていない。実はアメリカも同じだ。

アメリカは、戦後すぐにアジアで多国間による安全保障体制をつくろうとしたことがあり、日本と韓国に手を組ませようとしたことがある。しかし当時も、韓国側の反発で構想が頓挫している。

最近も、日米韓で締結しているGSOMIA(軍事情報を共有しようとする協定)について、韓国は一方的な廃棄を決めたが、アメリカの反発でとりあえず継続となった。実は、2012年にも似たような話があり、韓国政府は世論の反発で、GSOMIA締結を予定時刻の1時間前になって延期する、という外交儀礼上極めて無礼な対応をしたことがある。

 

こうした意味において、韓国における4月の総選挙は興味深い。そこで文政権の親中に「ノー」の民意が示され、日本に国賓で来日している習近平氏にも民主主義の厳しい現実を突きつけることができればいい。