台湾総統選「反中国派の圧勝」が、習近平と文在寅に与える大きな影響

「民主主義の力」は止められない
髙橋 洋一 プロフィール

保守系の一部には、習近平氏を国賓として呼ぶのはケシカランという意見もあるが、過去の例からみれば、中国国家主席は国賓とされているので、今回も国賓とするのは問題ないと筆者は思っている。

ただし、皇族は別としても首相は言うべきことを言うのが当然であり、国賓だから言うべきことを言わないとなれば、外交でなくなってしまうとも思う。

「昨日のチベット・ウイグル、今日の香港、明日の台湾(そして明後日の沖縄)」という言葉もある。民主主義、人権問題の重要性について安倍首相が習近平氏に話すのは当然だろう。でないと、日本が世界に誤解されることにもなり、国益にならない。

しっかり中国に釘を刺しておくことは、日本の安全保障にもなる。

 

日本が提唱する「対中包囲網」

アジア地域全体の安全保障や国際関係について現状を整理すると、ヨーロッパにおけるNATOのような多国間による安全保障体制とは異なり、アメリカを軸とした二国間同盟を束ねたような状態になっている。

具体的には、日本とアメリカの日米安全保障条約、韓国とアメリカの米韓相互防衛条約、フィリピンとアメリカの米比相互防衛条約、オーストラリアとアメリカの太平洋安全保障条約、台湾に対する防衛義務を定めたアメリカの台湾関係法などである。

こうした状況のことを、自転車の車輪などになぞらえて「ハブ・アンド・スポークス(Hub and Spokes)体制」と呼ぶ。アメリカが「かなめ」となって中心の車軸の位置にあり、各国がアメリカと個別につながっているためだ。