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# 韓国

韓国経済、少しの「株価の落ち着き」では拭えない…深刻な先行き懸念

基礎研究への不安

足許、世界的な“シリコンサイクル”が、底を打ちつつあるとの見方が出ている。

それに伴い、韓国経済の大黒柱であるサムスン電子の業績悪化のペースは、少しずつ落ち着きがみられ始めている。

その意味では、短期間に韓国経済が大きく混乱するリスクは幾分か低下したとみてよいだろう。

ただ、5Gなどに対する期待が盛り上がっているだけで、実際にはまだ底打ちを確認できてはいない。

また、この回復期待は韓国独自の要素よりも、外部の要因に支えられた側面が大きい。

ラスベガスの見本市でソニーがEVのコンセプトカーを披露し、世界をあっと驚かせたように、韓国企業が革新的なモノを創造しているとは考えにくい。

今後、韓国経済が左派政権の下で経済構造の変革を実現することは難しいだろう。

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韓国の景気安定に重要な半導体産業

目先、韓国経済の減速圧力は、半導体産業を中心に、徐々に和らぐ可能性がある。

重要と考えられるのが、5G関連の需要が高まり、世界の半導体市況に底入れの兆候が見られることだ。

「韓国の半導体業界は最悪期を脱し、徐々に業績は拡大基調に向かう可能性がある」と先行きに強気な市場参加者もいる。

昨年秋口以降、その見方からDRAM(半導体メモリの一種)最大手のサムスン電子の株価は値を戻し、韓国全体でも株価はそれなりの安定感を保った。

韓国総合株価指数(KOSPI)に占めるサムスン電子の割合は20%程度もある。

事実上、同社の株価推移がソウルの株式市場全体を支えている。特定企業の株価が相場全体を左右する市場構造は、日米などの主要国では見られない。

2019年10~12月期、サムスン電子の営業利益は市場参加者の予想を上回った。

5G関連の需要に支えられ半導体、スマホ事業が収益を支えた。

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昨年、在庫圧縮に苦戦したSKハイニックスにとっても、DRAM価格の下落が一服しつつあることは大きな追い風だ。

その見方からここ数か月間、SKハイニックスの株価も持ち直している。

半導体市況の底入れの兆候は、韓国の経済指標からも確認できる。

昨年12月、韓国の輸出は前年同月比5.2%減と前月に比べ落ち込み方が小幅だった。

製造業PMI(購買担当者景況感指数)も景気の改善と悪化の境目と考えられる50を上回った。

半導体業界が落ち着きを取り戻すとともに、徐々に韓国の景況感も幾分か上向くだろう。

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