第一線の人たちはみな
「辛い思い」と向き合っている

ここ数年、俳優としての存在感がどんどん増していっている。ダンス・パフォーマンスをきっかけにこの世界に飛び込み、俳優という表現と出会ったわけだが、俳優という仕事の面白さは、どんなところに感じているのだろう。

「やっぱり、第一線を走っている人は特に、みんな必ずどこかで、辛い思いをしているんですよ。芝居の現場では、そういう人と出会えることがすごく刺激になります。あとは、俳優さんって、基本的にはグループではなく一人で頑張っているじゃないですか。俳優って、自分という会社の、自分が社長で、自分が社員みたいなものですよね。一人稼業で、自分と作品のことだけに集中すればいいんだけど、自ら戦略を立てながら、自分というブランドを確立していかないといけない。俳優一本でやっている人たちは、みなさんそういう覚悟を持って活動をしていると思うんです。

一方で、EXILEや三代目って、一つの組織ですよね。だから、EXILEや三代目のパフォーマーとして活動するときは、組織の看板も背負っている感じです。一方で、芝居をしているときは、グループのことを忘れて、一俳優として、役に没入することができる。周りの人たちも、現場で生まれたものをリアルに評価してくれる。未熟だったらアドバイスしてくれるし、よかったら褒めてくれる。表裏なく接してもらえることが、すごく有り難いなと思います」

撮影/岸本絢

表現者は、常に、“よりよくすること”を考えている。岩田さんは、組織の中にいるときは、「組織をよりよくする社員のような気持ちで頑張っています」と話した。同じ夢を共有できる仲間がいて、帰る場所があることは、俳優専業の人たちとはどこか違う。けれど、「僕も、組織という船に乗っている感覚はあるけれど、創立メンバーではないので、“自分の作った船だ”という感覚はあまりない」とも言う。競争の中で、自分を成長させることが人生――。そう言い切った彼は、魅力ある俳優がひしめき合う映画の世界で、悔しさをバネにしながら、新たな輝きを放った。

(C)2019映画「AI崩壊」製作委員会
『AI崩壊』
10年後の日本――。働ける人間は全人口の約半分。未来を担う子どもは1割未満。残りの4割は老人と生活保護者と、国家として崩壊寸前の日本で、人々の生活を支える医療A I「のぞみ」は全国民の個人情報、健康を完全に管理し、人々の生活に欠かせないライフラインとなっていた。そんな中、突如AIが暴走。年齢、年収、家族構成、犯罪歴などから、人間の生きる価値を選別し、殺戮を始めた――。なぜAIは暴走したのか?
1月31日(金)全国ロードショー
撮影/岸本絢

岩田剛典(いわた・たかのり)
1989年生まれ。愛知県出身。EXILE /三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのパフォーマー。2011年より俳優業にも進出。初主演映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』がスマッシュヒット。主な出演映画に、『HiGH&LOW』シリーズ(15~17年)、『去年の冬、きみと別れ』『Vision ビジョン』『パーフェクトワールド 君といる奇跡』(全て18年)、『町田くんの世界』(19年)などがある。