写真:株式会社幸楽苑ホールディングス
# 飲食

「幸楽苑」大量閉店を「大失敗ではなく大英断」と評価すべき理由

その真意を読み解く

「デフレの勝ち組」が一体なぜ

2020年1月6日、まだ正月のノンビリした空気の残る仕事始めのこの日、一本の驚きのニュースが話題となった。かつては“290円中華そば”で「デフレの勝ち組」とまで言われた幸楽苑が、2020年4月までに51店舗を閉店すると突然発表したのだ。

51店舗というと同社の総店舗数は500店舗弱なので、全体の1割の店舗にも上る。
低収益店舗を閉店・業態転換を通して収益重視型経営(プロフィット・ドリブン)へ加速度的にシフトし、お客様・株主に貢献できる会社を目指します」が同社からの説明だ。

大量閉店の原因の一つとなった台風19号による大規模水害(Photo by iStock)

ここに至る原因として記憶に新しいのは、2019年10月の台風19号による大規模水害の影響で、同社の郡山工場が操業を停止。約250店舗が食材提供ストップとなり休業に追い込まれたことだ。

この影響により、既存店舗売上昨年対比(直営店舗)は10月30.7%減、11月11.8%減、12月6.7%減となっている。

 

筆者は外食産業を専門とするコンサルタントである為、長年同社についてもウォッチし続けてきた。ここ直近だけを振り返れば、2018年3月期に当期純損失32億円という大きな苦難を、2019年3月期にたった1年で当期純利益10億円まで回復させ、2019年8月までも既存店舗売上昨年対比100%を超え続けるなど、総じて幸楽苑の経営は「順調な流れ」であると受け止めていた。

ここでもう少し大局的に振り返ると、また見解が違って見えてくる。