「2010年と2020年」では、何がいちばん大きな変化だったか?

そして2030年はどんな時代になるか
堀井 憲一郎 プロフィール

物価も大して上がっていない

あまり考えずにふつうの生活を送りたいなら、毎日送られてくる「あなたが好きそうな本や、映画や、ファッション」からチョイスすればちょっと楽ができる。

2010年と2020年の違いは、つまりここ10年の大きな変化は、生活にAIがしっかり食い込んできてるところにある。

都市部ではいたるところにカメラが設置されており、都会の人はいつも記録されている(人より動物のほうが多いような地方エリアではあまり記録されてないとおもうが)。

 

かつては監視カメラと呼ばれていた無人の小さいカメラは、いまは防犯カメラと呼ばれそこそこ頼りにされている。むかしはそういうシステムは、ふつうの市民の敵ではないのかと怖がられていたが、2010年代を通して、そうではないと信じられるようになった。

ドライブレコーダーも同じだ。運転中の映像を記録することによって、どちらかというと善人は守られ悪が裁かれているとおもっている。

少なくともAIは「ビッグマザーにつながって人類の自由を奪う手先」とは考えられていない。より自分たちの生活をよくするものとして、活用されている。その世界観が大きく違っている。

2020年世界は、見た目は2010年とそんなに変わっていない。2010年人を見た目であまり驚かせられない。ドナルド・トランプが大統領だと聞いたときはしばらく驚くだろうが、そこは慣れてもらうしかない。

物価もさほど上がっていない。

山手線の初乗りが10円上がっているが、驚くほどのことではない。1970年人を1980年に呼んだときの驚きとは比べものにならない(30円が100円になっている)。