「大御所」には一生ならない

私は一生「大御所」にはなりません。夢はまだまだあって、志半ばどころか目指すところには30%ぐらいしか達していないと思っています。

自分でコントロールできないことに思い悩んだり振り回されるのは無駄だから、「やれること」「やるべきこと」を考えていきたいのです。もちろん、それがうまくいかなかったり思ったような結果が出ないことはたくさんあります。私は自信に満ち溢れているわけではないし、そのたびに傷つくし、悩んだり落ち込んだりします。
でもその気持ちを引きずることはほとんどありません。そのときにやれることは全部やったと思うからです。

そして絵を描くことも自分のこともずっと好きでいられるように生きていきたいです。

私は数字や肩書きなど表面的なことで人を評価したり付き合ったりしません。もちろん、その方のキャリアや年齢に敬意を持つのは当然です。でも若いから、キャリアが少ないから態度を変えるということは絶対にありません。

最近、仕事でもプライベートでも出会うのは、20〜30代の方が多かったけれど、尊敬できる人たちに多く出会いました。そういう出会いは刺激的だし、知らない世界を私に教えてくれます。私にはない才能やアイデア、コミュニケーション能力や勇気などに触れるたびに「すごいなあ」と本当に感心してしまいます。

留学先でも年下の友人たちにたくさん出会いました 写真提供/松尾たいこ

昨年出会った年下の方と作品について話しているときに言われた言葉が、とても印象に残っています。

「失敗したなあと思ったら塗り直せばいいんだから」

これはもちろん絵のことを言っているのですが、それは、先を考えすぎて時々臆病になる私にとって、背中を押された気持ちになれました。