すべてはコツコツ積み重ねたこと

デビュー間もない頃は、仕事だってほとんどなく、どうやって認知してもらうか知恵を絞ったものです。まだSNSなどもなかったので、自分のHPを作り、年に一度は個展を開催していました。そうして少しずついろんな場所で仕事をさせていただけるようになりました。

賞をとったときの個展。このときは風景ばかり描いていた 写真提供/松尾たいこ

その後、絵を描く以外のこと(文章を書いたり、本を出版したり)や、陶芸制作を始めたり。それらも全ては、自分の得意分野を増やすことやファン層を広げるためにやってきたことです。

20年以上コツコツ仕事をしてきたおかげで、確かに多くの方に認知していただけるようになりました。書籍の装画は300冊以上描かせていただいたし、ファッション雑誌の星占いページの挿絵連載も数年やっていました。時々は広告系の仕事もしています。作品がたくさん露出したことで、知ってくださる人も増えたのは事実です。感謝しかありません。

ただ、だからといって安穏としてきたことは一度もありませんでした。イラストレーターの仕事は、基本的には出版社やデザイン事務所、メーカーなどクライアントから依頼が来て初めて成立するものです。だから、仕事がいつ来るかはわからないし、仕事量や忙しさには波があります。仕事の依頼が来ない時期が続くと、とても不安にもなります。

だからこそ受けた仕事に関しては、当たり前のことを続けてきました。作品をきちんと仕上げること、〆切を守ること。これらをコツコツと続けたことで、ここまでイラストレーターとしてやってこられたのだと思っています。