Suicaはなぜ世界標準にならなかった?もったいない日本の技術力

「海外で勝てない技術」からは離れよう
山本 康正(文責 現代新書編集部)

テクノロジーの本質を理解する

そのテクノロジーの何が革命的なのか。

これを理解したうえで、世界で流行しているテクノロジーを日本に導入する方法を考えなければならない。そうしないと、結局はグローバル企業の日本子会社が進出して、そこがさまざまなロビー活動を展開し、結局、日本企業は蚊帳の外に置かれる。

技術も意欲も能力もある日本企業が日本で活躍できないというのは、とても「もったいない」ことだ。それこそ巨大な機会損失だと思う。

福岡の電動キックボードも、複数のアメリカ企業の日本子会社が福岡の特区で運用を任された。メルカリが自転車シェアリングサービスの「メルチャリ」をやろうとしたが、残念ながら本格参入にはつながらなかった。なぜ外国企業ができて日本企業ができなかったのか。この構図を変えなければ、日本企業に未来はない。

 

これからの日本人が身につけるべきもの

こうしようと決めても、それが正しかったかどうかは結果でしかわからない。だが、わからないことを必要以上に恐れ、ネガティブにとらえて行動しなければ、何も得られない。

わからなければ、知識と情報を仕入れたうえで議論すればいい。日本人に欠けているのは議論をする習慣や機会が少ないことだ。

正解がわからない時代、正解が絶えず変化する時代に生きている以上、柔軟な思考で世界のトレンドを取り入れていく姿勢は必要だろう。日本には、自動的に情報が集まる環境はない。黙っていては良質の情報は目の前を素通りしてしまう。もしくは詐欺師が近寄ってくるだけだ。ギブ&テイクの姿勢で、情報は自ら取りにいかなければならない。

その点から言うと、これからのビジネスパーソンはプログラミング、データ、英語、そしてファイナンスに関する知識をしっかりと身につける必要がある。なぜなら、この4つはテクノロジーのビジネスを理解するための必須ツールだからだ。

目的は世界で起こっている変化を推察し、何ができて何ができないかという感覚を持つことだが、ツールを持たなければそれさえも理解できない。

新しいバズワードがやってきたとき、AI、5G、クラウド、ブロックチェーンなどの概念が入ってきたときに、うろたえず、ここまではできる、ここからはできないという判断ができることが、テクノロジーに関する最重要のリテラシーである。