45歳以上の正社員化は困難…この国の「氷河期世代支援」を問う

これで効果があるのだろうか
小林 美希 プロフィール

リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査」を見ると、やはり不況期でも流通業(卸売・小売り)の求人倍率は大きくは鈍化していなかった。最も低かった00年でも3.19倍あり、全体平均0.99倍を大きく上回っている。

卒業後3年以内離職率を見ると、超就職氷河期だった2000年(36.5%)から04年(36.6%)までにかけて山があり、特に00年は1年目での離職が最も高い15.7%となっている。

求人があって就職できたとしても、もともと離職の高い業界が多く、直近でも卒後3年以内離職率は「小売り」で37.7%、「宿泊業、飲食サービス業」で49.7%、「医療、福祉」は37.8%という水準だ。

つまり人手不足の業界や職種に単に送り込んでも長くは続かず、安定した就労になるとはいいがたい現実があり、注意を払わなければならない。もっと人手が不足している農林水産業は外国人労働者に頼っている現状であるのに、就職氷河期世代の新たな活路として見いだせるのか疑問が残る。

 

「45歳以上の正社員化は難しい」

一方で、3年間で正社員を30万人、というのは甘い目標値だろう。もともと転職するには30代はまだ比較的有利なため、今の人手不足の状況からすれば30代後半の非正規雇用159万人(2018年)のなかで、ゆうに達成できるのではないか。

そして政府の示す中心層35~44歳で考えると問題を見誤る。45~49歳だけで非正規社員は226万人もいて、氷河期全体の非正規社員は約600万人に上る。多くのキャリアカウンセラーが「正直、45歳以上の正社員化は難しい」と口を揃える状態だ。それを見越してなのか、政府が「集中支援して30万人を正社員にする」という対象に40代後半が入っていないのだ。

東京しごと塾の17年度の就職決定者の実績を年齢階級別に見ても、30~34歳が41.4%、35~39歳が25.0%、40~44歳が33.6%で全体として30代前半が高く、支援対象は44歳までとなっている。支援が最も必要でかつ困難な40代後半を丁寧に支援する必要がある。