1月25日 物理学者のプリゴジンが生まれる(1917年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

非平衡熱力学の研究で知られる物理学者イリヤ・プリゴジン(Ilya Prigogine、1917-2003)が、この日、ロシアのモスクワに生まれました。幼少時に家族とともにベルギーに移住、ブリュッセル自由大学に学び、そこで博士号を取得しました。

【写真】イリヤ・ブリコジン
イリヤ・プリゴジン photo by gettyimages

プリゴジンの業績

プリゴジンは熱力学の分野において、非平衡状態からでも秩序構造が生じることを理論的に示し、従来の「非平衡状態=予想不可能な状態」という概念を打ち破りました。

さらにそれを発展させ、生物体や生態系などに見られる多様な構造やリズム、動的安定性などを考える際 に、全体を統一的に捉えることの可能な「散逸構造理論」を提示して、1977年にノーベル化学賞を受賞しています。

ノーベル賞受賞後の活動は、彼が以前から興味を抱いていた〈時間の対称性の破れ〉の問題に取り組み、その研究活動は生涯にわたりました。

特異な視点、幅広い活動

また、『存在から発展へ:物理科学における時間と多様性』From Being To Becoming, 1980)、『混沌からの秩序』(Prigogine, Ilya; Stengers, Isabelle, Order out of Chaos: Man's new dialogue with nature, 1984)など、一般向けの著作も高く評価されており、現在の科学思想に大きな影響を与えた人物です。

さらに、プリゴジンは自然科学以外の広い分野でも活躍し、とくに考古学に関する業績は有名です。古代アンデス文明の石器に関する業績に対して、名誉博士号を贈られています。

考古学に造詣の深かったプリゴジンは自宅にも古美術品を飾った photo by gettyimages

また、ピアニストの腕も相当なもので、大学に入る前には国際コンクールで優勝した経験もあるそうです。

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時間はどこから来て、なぜ流れるのか?
最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」

プリゴジンの後年の研究対象は、「時間はなぜ一方向へと流れるのか?」だったそうです。科学が捉えた「時間の本質」――時間とは何か?

時間は本当に過去から未来へ流れているのか? 「時間が経つ」とはどういう現象なのか? 相対性理論、宇宙論、熱力学、量子論、さらには神経科学を見渡し、科学の視座から時間の正体に迫ります。

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