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イランは米国をなぜ挑発したのか?「世界が震撼した1週間」の真相

イラク国内の情勢がカギだった

「トランプは弱腰」という確信

米国がイランの司令官をドローン攻撃で殺害し、中東の緊張が一挙に高まった。だが、心配されたイランの報復は「形ばかりの茶番」だった。戦争は回避されたが、米国のトランプ政権にとって、本当の正念場はここからだ。

まず、激動の1週間を簡単に振り返ろう。

 

米軍は1月3日、バグダッド国際空港でイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ」部隊のソレイマニ司令官らが乗った車列をドローンで攻撃し、殺害した。いきなり、敵の司令官を殺害したように見えるが、ここに至るまでには、伏線がいくつもあった。

イランは昨年から、米国に対して執拗に挑発を仕掛けていた。

最初は、昨年6月にホルムズ海峡沖で起きた米国の無人機撃墜である。当時のボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らは直ちに報復するよう訴え、トランプ大統領はいったん同意したが、攻撃10分前になって突然、中止を決めてしまった。

当時のトランプ氏は、あきらかに軍事手段の行使をためらっていた。この件はその後、9月のボルトン氏解任への伏線になる。大統領はボルトン氏の軍事重視、強硬路線に反対だった。米国が報復しなかったのを見て、イランは調子づいた。

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9月14日には、サウジアラビアの石油施設が何者かに攻撃され、施設が炎上した。トランプ政権は直後に「イランの仕業」と断定し、大統領は「米国は臨戦態勢にある」と言ったが、このときも結局、何もしなかった。

それどころか、9月24日の国連演説で、大統領は「米国のメッセージは明確だ。米国の目標は調和であり、終わりのない戦争を続けることではない」と言い切ってしまった(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67447)。これで、イランは「トランプは弱腰」と一層、確信を深めていく。

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